FIREに必要な資産はいくら?年収・生活費別にシミュレーションしてみた
「FIRE達成には何億必要?」という疑問に、年収300〜800万円・生活費別のシミュレーション結果で正直に答えます。4%ルールの限界と、日本での現実的なFIRE戦略も。
「FIREするには何億必要ですか?」という質問、本当によく見かけます。SNSでは「3億あればFIREできる」とか「いや5億は必要」とか、数字が独り歩きしていて、読んでいて混乱することも多い。
結論から言うと、必要額は生活費によって全然違います。年間生活費300万円なら7,500万円、500万円なら1億2,500万円。この計算の根拠である「4%ルール」と、日本で適用する際の注意点を含めて整理してみます。
4%ルールとは何か、そもそもの話
FIREコミュニティでよく使われる「4%ルール」は、1998年にアメリカのトリニティ大学が発表した研究(通称:トリニティスタディ)が元になっています。
内容をざっくり言うと、「株式と債券に分散投資したポートフォリオから毎年4%ずつ取り崩しても、30年後に資産が残っている確率が95%以上だった」というもの。これを逆算すると、必要な資産額は「年間生活費 × 25倍」になります。
ただしこれ、アメリカのデータです。S&P500の過去リターンを前提にしています。日本株や円建て資産で同じ前提が使えるかどうかは、正直わかりません。
年収・生活費別のFIRE達成シミュレーション
実際に数字を見ていきましょう。以下は、現在の資産500万円・毎月の積立額が手取りの20%という前提で、「何年でFIREできるか」を試算したものです。
| 年収(手取り) | 年間生活費 | 必要資産 | 達成まで(利回り5%) |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 240万円 | 6,000万円 | 約31年 |
| 400万円 | 300万円 | 7,500万円 | 約27年 |
| 500万円 | 350万円 | 8,750万円 | 約23年 |
| 600万円 | 400万円 | 1億円 | 約19年 |
| 800万円 | 450万円 | 1億1,250万円 | 約14年 |
この数字を見て「思ったより時間かかるな」と感じた人が多いと思います。それが正直なところだと思います。
注意してほしいのは、上の表の「年間生活費」が意外と低く設定されているということ。年収400万円の人が生活費300万円というのは、手取りのほぼ全額を使う計算になります。貯蓄率を上げるには生活費を削るしかなく、それがどこまで現実的かは人によります。
生活費を下げることが最大の近道
FIREの計算式をよく見ると、収入を増やすより生活費を減らすほうが2倍の効果があることがわかります。
たとえば年収500万円の人が年間生活費を350万円から300万円に減らすと、必要資産が8,750万円から7,500万円に下がり、かつ毎年の貯蓄額も増えます。両方の効果が同時に働くので、達成時期が一気に縮まります。
逆に言えば、生活費を下げずに収入だけ増やそうとしても、生活水準も一緒に上がってしまう(ライフスタイルインフレ)と、必要資産額も増えてしまいます。
日本でFIREするときに見落としがちな点
社会保険料の問題
会社員を辞めると、健康保険は国民健康保険に切り替わります。これが地味に高い。扶養家族がいる場合、年間で数十万円の支出になることもあります。
会社員のときは「給与から天引き」されているので見えにくいですが、FIRE後は自分で払う必要があります。この分を生活費に含めておかないと、後で試算が狂います。
住民税は1年遅れでくる
退職した翌年に、現役時代の収入に対する住民税が請求されます。これを知らないと、FIRE初年度に予期しない出費でパニックになります。
インフレリスク
日本はここ数年、物価が上がっています。年2〜3%のインフレが続くと、20年後の生活費は今より4〜8割高くなる可能性があります。4%ルールがカバーできる範囲ですが、このリスクは意識しておく必要があります。
「完全FIRE」にこだわらなくていい
最近は「サイドFIRE」「セミFIRE」という言葉も広まっています。週2〜3日だけ仕事して、残りを自由な時間にするスタイルです。
個人的には、これが現実的だと思っています。完全にリタイアして「一切収入ゼロ」にするより、好きな仕事を少しだけ続けることで、必要な資産額を大幅に減らせます。年間200万円の収入があるだけで、必要資産は1,500万円以上少なくなります。
FIREは目的ではなく手段です。「お金の心配をしないで生きたい」という本来の目的のために、どのルートが自分に合っているかを考えるほうが建設的だと思います。
自分のFIREシミュレーションをやってみる
ここまで読んで、自分の数字を計算してみたくなった人はぜひFIREシミュレーターを使ってみてください。現在の資産・毎月の積立額・年間生活費・運用利回りを入力すると、FIRE達成年数と必要資産額が即計算できます。
数字を変えながら「生活費を月2万円削ったら何年縮まるか」「利回りが3%のケースと7%のケースでどれだけ差が出るか」を確認するのが、現実的な計画を立てる第一歩になると思います。
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